かぜ薬1

2026年7月29日

1. かぜの諸症状、かぜ薬の働き

1-1. 症状

  • かぜ(感冒)の症状は、くしゃみ、鼻汁・鼻閉(鼻づまり)、咽喉痛、咳、痰等の呼吸器症状と、発熱、頭痛、関節痛、全身倦怠感等、様々な全身症状が組み合わさって現れる
  • 「かぜ」は単一の疾患ではなく、医学的にはかぜ症候群といい、主にウイルスが鼻や喉などに感染して起こる上気道の急性炎症の総称
  • 通常は数日〜1週間程度で自然寛解(治療や投薬を必要としない状態になること)し、予後は良好

1-2. 原因

  • かぜの約8割はウイルス(ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスなど)の感染が原因
  • その他、細菌の感染や、まれに冷気や乾燥、アレルギーのような非感染性の要因による場合もある
  • 原因となるウイルスは200種類を超えるといわれ、それぞれ活動に適した環境がある。そのため、季節や時期などによって原因となるウイルスや細菌の種類は異なる

1-3. かぜとよく似た症状の疾患

かぜとよく似た症状が現れる疾患は、喘息、アレルギー性鼻炎、リウマチ熱、関節リウマチ、肺炎、肺結核、髄膜炎、急性肝炎、尿路感染症等多数あり、急激な発熱を伴う場合や、症状が4日以上続くとき、または症状が重篤なときは、かぜではない可能性が高いとされている。

① ウイルス性胃腸炎

発熱や頭痛を伴って、悪心・嘔吐、下痢等の消化器症状が現れることがあり、俗に「お腹にくるかぜ」などと呼ばれる。ただし、冬場にこれらの症状が現れた場合はかぜではなく、ウイルスが消化器に感染したことによるもの(ウイルス性胃腸炎)である場合が多いとされている。

② インフルエンザ

インフルエンザ(流行性感冒)は、かぜと同様、ウイルスの呼吸器感染によるものだが、感染力が強く、また、重症化しやすいため、かぜとは区別して扱われる。

1-4. かぜ薬の働き

① かぜ薬の目的と作用

  • かぜ薬とは、かぜの諸症状の緩和を目的として使用される医薬品の総称であり、総合感冒薬とも呼ばれる
  • かぜは、生体に備わっている免疫機構によってウイルスが消滅すれば自然に治癒する。したがって、安静にして休養し、栄養・水分を十分に摂ることが基本
  • かぜ薬は、ウイルスの増殖を抑えたり、ウイルスを体内から除去するものではなく、咳で眠れなかったり、発熱で体力を消耗しそうなときなどに、それら諸症状の緩和を図る対症療法薬

② 症状に応じた薬の適用

  • かぜだからといって必ずしもかぜ薬(総合感冒薬)が選択されるのが最適ではない
  • 発熱、咳、鼻水など症状がはっきりしている場合には、効果的に症状を緩和させるため、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、鼻炎を緩和させる薬などが選択されることが望ましい
  • 存在しない症状に対する不要な成分が配合されていると、無意味に副作用のリスクを高めることとなる

主な配合成分等

かぜ薬には、かぜの諸症状を緩和することを目的として、以下のような成分を組み合わせて配合されている。

  • 解熱鎮痛成分
  • 抗ヒスタミン成分
  • 抗コリン成分
  • アドレナリン作動成分
  • 鎮咳成分
  • 抗炎症成分
  • 漢方処方成分
  • 鎮静成分
  • ビタミン成分等
  • 制酸成分
  • 去痰成分
  • 生薬成分
  • カフェイン類

2. 解熱鎮痛成分

解熱鎮痛成分は、発熱を鎮め、痛みを和らげる成分。

2-1. 解熱鎮痛成分の種類

  • 主な解熱鎮痛成分:アスピリン、サリチルアミド、エテンザミド、アセトアミノフェン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン等
  • 解熱に働く生薬成分:ジリュウのほか、ショウキョウ、ゴオウ、カッコン、サイコ、ボウフウ、ショウマ、ケイヒ等
  • 鎮痛に働く生薬成分:センキュウ、コウブシ等

2-2. 留意事項

  • サリチルアミド、エテンザミドについては、15歳未満の小児で水痘(水疱瘡)またはインフルエンザにかかっているときは使用を避ける必要があるが、一般の生活者にとっては、かぜとインフルエンザとの識別は必ずしも容易ではない
  • 医薬品の販売等に従事する専門家においては、インフルエンザ流行期等、必要に応じて購入者等に対して積極的に注意を促す、解熱鎮痛成分がアセトアミノフェンや生薬成分のみからなる製品の選択を提案する等の対応を図ることが重要
  • なお、アスピリン、サザピリン、イブプロフェンについては、一般用医薬品では、小児に対してはいかなる場合も使用してはならない

3. 抗ヒスタミン成分、抗コリン成分

抗ヒスタミン成分、抗コリン成分は、くしゃみや鼻汁を抑える成分。

3-1. 抗ヒスタミン成分の種類

主な抗ヒスタミン成分:クロルフェニラミンマレイン酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩、メキタジン、クレマスチンフマル酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩等

3-2. 抗コリン成分の種類

主な抗コリン成分:ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド


4. アドレナリン作動成分

アドレナリン作動成分は、鼻粘膜の充血を和らげ、気管・気管支を拡げる成分。

4-1. アドレナリン作動成分の種類

  • 主な成分:メチルエフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリンサッカリン塩、プソイドエフェドリン塩酸塩等
  • アドレナリン作動成分と同様の作用を示す生薬成分として、マオウが配合されている場合もある

※メチルエフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリンサッカリン塩、マオウについては、「咳止め・痰を出しやすくする薬」の項目を参照。

4-2. 留意事項

メチルエフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリンサッカリン塩、プソイドエフェドリン塩酸塩、マオウは、いずれの成分も依存性があることに留意する必要がある。


5. 鎮咳成分

鎮咳成分は、咳を抑える成分。

5-1. かぜ薬に配合される主な鎮咳成分

  • コデインリン酸塩水和物
  • ジヒドロコデインリン酸塩
  • デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
  • ノスカピン
  • チペピジンヒベンズ酸塩
  • クロペラスチン塩酸塩 等

鎮咳作用を目的として、ナンテンジツ等の生薬成分が配合されている場合もある。

5-2. 留意事項

  • コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩については、依存性があることに留意する必要がある
  • また、これらの咳止め成分は、12歳未満の小児には使用禁忌となっている

6. 去痰成分

去痰成分は、痰の切れを良くする成分。

かぜ薬に配合される主な去痰成分:

  • グアイフェネシン
  • グアヤコールスルホン酸カリウム
  • ブロムヘキシン塩酸塩
  • エチルシステイン塩酸塩 等

(以降、去痰成分と同様の作用を持つ生薬成分等について続く様子ですが、資料はここまでとなっています)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です