医薬品の分類・取扱い等 3

2026年8月27日

1. 一般用医薬品、要指導医薬品、医療用医薬品

(1) 一般用医薬品

一般用医薬品は、次のように規定されています(法第4条第5項第4号)。

医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く。)

(2) 要指導医薬品

要指導医薬品は、次のように規定されています(法第4条第5項第3号)。

次のイからニまでに掲げる医薬品(専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く。)のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされるものであり、かつ、その適正な使用のために薬剤師の対面による情報の提供及び薬学的知見に基づく指導が行われることが必要なものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。

  • その製造販売の承認の申請に際して第14条第11項に該当するとされた医薬品であって、当該申請に係る承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないもの
  • その製造販売の承認の申請に際してイに掲げる医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能効果等が同一性を有すると認められた医薬品であって、当該申請に係る承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないもの
  • 第44条第1項に規定する毒薬
  • 第44条第2項に規定する劇薬

(3) 医療用医薬品

医療用医薬品は、医師もしくは歯科医師によって使用され、またはこれらの者の処方箋もしくは指示によって使用されることを目的として供給される医薬品です。

(4) 一般用医薬品および要指導医薬品と医療用医薬品の違い

① 使用方法に関する違い

一般用医薬品および要指導医薬品は、「薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされている医薬品」であるため、注射等の侵襲性の高い使用方法は用いられていません。

また、人体に直接使用されない検査薬においても、検体の採取に身体への直接のリスクを伴うもの(例えば、血液を検体とするもの)は、一般用医薬品または要指導医薬品としては認められていません。

なお、医師等の管理・指導の下で患者が自己注射や自己採血等を行う医薬品は、医療用医薬品として製造販売等されています。

② 用量に関する違い

用量に関しては、医療用医薬品は、医師または歯科医師が診察をして患者の容態に合わせて処方量を決めて交付するものです。

一方、一般用医薬品および要指導医薬品は、あらかじめ定められた用量に基づき、適正使用することによって効果を期待するものです。

③ 効能効果の表現に関する違い

効能効果の表現に関しては、医療用医薬品では通常、診断疾患名(例えば、胃炎、胃・十二指腸潰瘍等)で示されています。

一方、一般用医薬品および要指導医薬品では、一般の生活者が判断できる症状(例えば、胃痛、胸やけ、むかつき、もたれ等)で示されています。

なお、一般用医薬品および要指導医薬品は、通常、医療機関を受診するほどではない体調不良や疾病の初期段階において使用されるものであり、医師等の診療によらなければ一般に治癒が期待できない疾患(例えば、がん、心臓病等)に対する効能効果は、一般用医薬品および要指導医薬品において認められていません。

区分使用方法用量効能効果の表現
医療用医薬品注射等の侵襲性の高い方法も含む医師・歯科医師が患者の容態に応じて決定診断疾患名(例:胃炎、胃・十二指腸潰瘍)
一般用医薬品・要指導医薬品侵襲性の高い方法は用いないあらかじめ定められた用量生活者が判断できる症状(例:胃痛、胸やけ、もたれ)

(5) 要指導医薬品への指定

薬剤師その他医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることを目的とする医薬品であって、医療用医薬品において使用されていた有効成分が初めて配合されたものや、既存の医薬品と明らかに異なる有効成分が配合されたもののうち、その適正な使用のために薬剤師の対面による情報の提供および薬学的知見に基づく指導が行われることが必要なものについては、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いた上で、厚生労働大臣が要指導医薬品として指定します。

要指導医薬品は、次に掲げる期間を経過し、薬事・食品衛生審議会において、一般用医薬品として取り扱うことが適切であると認められたものについては、一般用医薬品に分類されます。

① 法第4条第5項第3号に該当する要指導医薬品

  • (a) 法第14条の4第1項第1号に規定する新医薬品 → 同項に規定する調査期間(同条第3項の規定による延長が行われたときは、その延長後の期間)
  • (b) 法第79条第1項に基づき、製造販売の承認の条件として当該承認を受けた者に対し製造販売後の安全性に関する調査を実施する義務が課せられている医薬品 → 製造販売の承認の条件として付された調査期間

② 法第4条第5項第3号に該当する要指導医薬品

当該要指導医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能、効果等が同一性を有すると認められた①の要指導医薬品に係る(a)または(b)の期間の満了日までの期間

③ 期間満了日までの期間の特例

上記①または②の調査期間中に同じ配合成分の要指導医薬品が承認された場合(例:2社共同で医薬品を開発したものの、片方が遅れて承認を受けた場合)は、先行して承認を受けた要指導医薬品の調査期間の残存期間内に症例情報の収集が行われます。

補足【要指導医薬品の調査期間】

  • ①法第14条の4第1項第1号に規定する調査期間:新医薬品の要指導医薬品であるため、承認どおりの有効性および安全性等があるかどうかを再審査するための症例情報が当該調査期間内に収集されます。
  • ②承認の条件として付された調査期間:医療用医薬品としての使用経験はあるものの、一般の生活者の判断に基づき初めて使用される要指導医薬品であるため、想定外の使われ方がなされていないかなど、主に安全性を確認するための症例情報が当該調査期間内に収集されます。

(6) 一般用医薬品、要指導医薬品、医療用医薬品の販売規制

  • 店舗販売業:一般用医薬品および要指導医薬品以外の医薬品の販売等は認められていません。
  • 配置販売業:一般用医薬品(経年変化が起こりにくいことその他の厚生労働大臣の定める基準に適合するものに限る。)以外の医薬品の販売等は認められていません。

したがって、医療用医薬品の販売は、薬局および卸売販売業者に限られます。

なお、卸売販売業者は、店舗販売業者に対して一般用医薬品および要指導医薬品以外の医薬品を販売または授与してはならず、配置販売業者に対して一般用医薬品以外の医薬品を販売または授与してはならないこととされています。

補足【配置販売業において、取り扱いができる一般用医薬品】 「経年変化が起こりにくいこと」「剤形、用法、用量等からみて、その使用方法が簡易であること」「容器又は被包が、壊れやすく、又は破れやすいものでないこと」など厚生労働大臣の定める基準に適合するものに限られます。


2. 毒薬・劇薬

(1) 毒薬・劇薬とは

  • 毒薬:毒性が強いものとして厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医薬品をいいます(法第44条第1項)。
  • 劇薬:劇性が強いものとして厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医薬品をいいます(法第44条第2項)。

(2) 毒薬・劇薬の特徴

毒薬および劇薬は、単に毒性、劇性が強いものだけでなく、薬効が期待される摂取量(薬用量)と中毒のおそれがある摂取量(中毒量)が接近しており安全域が狭いため、その取扱いに注意を要するもの等が指定されます。そのため、販売は元より、貯蔵およびその取り扱いについて、他の医薬品とは区別されています。

なお、毒薬または劇薬は、要指導医薬品に該当することはありますが、現在のところ、毒薬または劇薬で、一般用医薬品のものはありません。

(3) 毒薬・劇薬に関する規制

規制の種類内容罰則
① 貯蔵・陳列業務上毒薬または劇薬を取り扱う者(薬局開設者または医薬品の販売業の許可を受けた事業者を含む)は、それらを他の物と区別して貯蔵、陳列しなければならない。特に毒薬を貯蔵、陳列する場所については、鍵を施さなければならない。1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する
② 直接の容器等の表示毒薬:黒地に白枠、白字で品名および「毒」の文字。劇薬:白地に赤枠、赤字で品名および「劇」の文字。これらの規定に触れる毒薬または劇薬は販売等してはならない。3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する
③ 交付制限毒薬または劇薬を、14歳未満の者その他安全な取扱いに不安のある者(例:睡眠薬の乱用や不当使用が懸念される者)に交付することは禁止。2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する
④ 譲渡手続一般の生活者に対して販売または譲渡する際には、譲り受ける者から、品名、数量、使用目的、譲渡年月日、譲受人の氏名、住所および職業が記入され、署名または記名押印された文書の交付を受けなければならない。1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する
⑤ 開封販売店舗管理者が薬剤師である店舗販売業者および医薬品営業所管理者が薬剤師である卸売販売業者以外の医薬品の販売業者は、開封して販売等してはならない。1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する

補足【毒薬劇薬の譲渡の文書】 文書に代えて、一定の条件を満たす電子的ファイルに記録したものによることもできます。


3. 生物由来製品

(1) 生物由来製品の定義

生物由来製品は、次のように定義されています(法第2条第10項)。

人その他の生物(植物を除く。)に由来するものを原料又は材料として製造(小分けを含む。)をされる医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器のうち、保健衛生上特別の注意を要するものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するもの

(2) 生物由来製品の指定

生物由来製品は、製品の使用による感染症の発生リスクに着目して指定されており、生物由来の原材料(有効成分に限らない)が用いられているものであっても、現在の科学的知見において、感染症の発生リスクの蓋然性(確実性の度合いのこと)が極めて低いものについては、指定の対象となりません。

一般用医薬品または要指導医薬品においても、生物由来の原材料が用いられているものがありますが、現在のところ、生物由来製品として指定された一般用医薬品または要指導医薬品はありません。また、生物由来製品として指定された医薬部外品または化粧品もありません。

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