医薬品の適正使用情報 2
1. 添付文書の読み方(⑤使用上の注意-2)
(1) 相談すること(「医薬品を使用したあと」に相談する場合)
その医薬品を使用したあとに、副作用と考えられる症状等を生じた場合、薬理作用から発現が予測される軽微な症状がみられた場合や、症状の改善がみられない場合には、いったん使用を中止した上で適切な対応が円滑に図られるよう、次の(2)〜(4)のような記載がなされています。
(2) 副作用と考えられる症状を生じた場合に関する記載
① 記載内容
- 「使用(服用)後、次の症状が現れた場合」
- 「まれに下記の重篤な症状が現れることがあります。その場合はただちに医師の診療を受けること」
② 記載内容の順序
副作用については、まず一般的な副作用について関係部位別に症状が記載され、そのあとに続けて、まれに発生する重篤な副作用について副作用名ごとに症状が記載されています。
③ 一般的な副作用
一般的な副作用については、重篤ではないものの、そのまま使用を継続すると状態の悪化を招いたり、回復が遅れるおそれがあります。また、一般的な副作用として記載されている症状であっても、発疹や発赤などのように、重篤な副作用の初期症状である可能性があるものも含まれていますので、軽んじることのないよう説明がなされることが重要です。
④ 重篤な副作用
重篤な副作用については、入院相当以上の健康被害につながるおそれがあるものであり、そうした重大な結果につながることを回避するため、その初期段階において速やかに医師の診療を受ける必要があります。
(3) 軽微な症状がみられた場合に関する記載
各医薬品の薬理作用等から発現が予測され、容認される軽微な症状(例えば、抗ヒスタミン薬の眠気等)ですが、症状の持続または増強がみられた場合には、いったん使用を中止した上で専門家に相談する旨が記載されています。
(4) 一定期間または一定回数使用したあとに症状の改善がみられない場合に関する記載
| ケース | 内容 |
|---|---|
| ① 要指導医薬品または一般用医薬品の場合 | その医薬品の適用範囲でない疾患による症状や、合併症が生じている可能性等が考えられ、また、その医薬品の適用となる症状の性質にかんがみて、要指導医薬品または一般用医薬品で対処できる範囲を超えており、医師の診療を受けることが必要な場合もあります。 |
| ② 漢方処方製剤の場合 | 漢方処方製剤では、ある程度の期間継続して使用されることにより効果が得られるとされているものが多いですが、長期連用する場合には、専門家に相談する旨が記載されています(本記載がない漢方処方製剤は、短期の使用に限られる)。 |
| ③ 一般用検査薬の場合 | 検査結果が陰性であっても何らかの症状がある場合は、再検査するかまたは医師に相談する旨等が記載されています。 |
2. 添付文書の読み方(⑤使用上の注意-3)
容認される軽微なものについては、「その他の注意」に「次の症状が現れることがある」として記載されています。
3. 添付文書の読み方(⑥効能または効果)
一般の生活者が自ら判断できる症状、用途等が示されています。なお、「適応症」として記載されている場合もあります。
このほか、効能または効果に関連する注意事項がある場合には、「効能または効果」の項目に続けて、これと区別して記載されています。
4. 添付文書の読み方(⑦用法および用量)
年齢区分、1回用量、1日の使用回数等について一般の生活者に分かりやすく、表形式で示されるなど工夫して記載されています。
小児における使用に関して認められていない年齢区分(使用年齢の制限)がある場合は、当該年齢区分に当たる小児に使用させない旨が記載されます。
このほか、定められた用法・用量を厳守する旨や、剤形・形状に由来する必要な注意、正しい使用方法に関する注意、誤りやすい使用方法の指摘、小児に使用させる場合の注意等、用法・用量に関連する使用上の注意事項がある場合には、「用法および用量」の項目に続けて、これと区別して記載されています。
なお、「用法および用量」は、一般用検査薬では「使用方法」と記載されます。
補足【剤形・形状に由来する必要な注意】 剤形・形状に由来する必要な注意に関連して、点眼剤に類似した容器に収められた外用液剤では、取り違えにより点眼される事故防止のため、その容器本体に赤枠・赤字で「目に入れない」旨の文字、また、「水虫薬」の文字など点眼薬と区別可能な表示についても目立つよう記載されています。
5. 添付文書の読み方(⑧成分および分量)
(1) 有効成分の名称
有効成分の名称(一般的名称のあるものについては、その一般的名称。有効成分が不明なものにあっては、その本質および製造方法の要旨。)および分量が記載されています。
それらの記載と併せて、添加物として配合されている成分も掲げられています(人体に直接使用しない検査薬等を除く)。
なお、「成分および分量」は、一般用検査薬では「キットの内容および成分・分量」と記載されます。妊娠検査薬では、専門家による購入者等への情報提供の参考として、検出感度も併せて記載されています。
補足【添加物として配合されている成分】
- ① 添加物として配合されている成分については、現在のところ、製薬企業界の自主申し合わせに基づいて、添付文書および外箱への記載がなされています。「香料」「pH調整剤」「等張化剤」のように用途名で記載されているものもあります。
- ② 商取引上の機密にあたる添加物については、「その他n成分」(nは記載から除いた添加物の成分数)として記載している場合もあります。
- ③ 「してはいけないこと」または「相談すること」への記載に伴う情報提供・相談対応が必要な場合を除き、通常、購入者等への説明が求められることは少ないですが、購入者側から質問等があった場合には、製造販売元の製薬企業に問い合わせる等の適切な対応がなされるべきです。
(2) 医薬品の添加物
医薬品の添加物は、それ自体積極的な薬効を期待して配合されるものでなく、製剤としての品質、有効性および安全性を高めることを目的として配合されていますが、アレルギーの原因となり得ることが知られているものもあり、その成分に対するアレルギーの既往がある人では使用を避ける必要があります。
(3) その他
尿や便が着色することがある旨の注意や、服用後、尿や便の検査値に影響を与えることがある場合の注意等、配合成分(有効成分および添加物)に関連した使用上の注意事項がある場合には、「成分および分量」の項目に続けて、これと区別して記載されています。
6. 添付文書の読み方(⑨病気の予防・症状の改善につながる事項・養生訓)
その医薬品の適用となる症状等に関連して、医薬品の使用のみに頼ることなく、日常生活上、どのようなことに心がけるべきかなど、症状の予防・改善につながる事項について一般の生活者に分かりやすく記載されていることがあります(必須記載ではない)。
7. 添付文書の読み方(⑩保管および取扱い上の注意)
(1)「直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に密栓して保管すること」等の保管条件に関する注意
医薬品は、適切な保管がなされないと化学変化や雑菌の繁殖等を生じることがあり、特にシロップ剤などは変質しやすいため、開封後は冷蔵庫内に保管されるのが望ましいとされています。ただし、凍結すると変質したり、効力が減弱する場合があります。また、冷蔵庫内での保管の際は、家庭における誤飲事故等を避けるため、医薬品は食品と区別して、誰にも分かるように保管されることも重要です。
錠剤、カプセル剤、散剤等では、取り出したときに室温との急な温度差で湿気を帯びるおそれがあるため、冷蔵庫内での保管は不適当です。
(2)「小児の手の届かないところに保管すること」
乳幼児は好奇心が強く、すぐ手を出して口の中に入れることがあります。また、家庭内において、小児が容易に手に取れる場所(病人の枕元など)、または、まだ手が届かないと思っても、小児の目につくところに医薬品が置かれていた場合に、誤飲事故が多く報告されています。
(3)「他の容器に入れ替えないこと(誤用の原因になったり品質が変わる)」
医薬品を旅行や勤め先等へ携行するために別の容器へ移し替えると、日時が経過して中身がどんな医薬品であったか分からなくなってしまうことがあり、誤用の原因となるおそれがあります。
また、移し替えた容器が湿っていたり、汚れていたりした場合、医薬品として適切な品質が保持できなくなるおそれがあります。
(4) その他「他の人と共用しないこと」等
点眼薬では、複数の使用者間で使い回されると、万一、使用に際して薬液に細菌汚染があった場合に、別の使用者に感染するおそれがあるため記載されています。
(5) 消防法・高圧ガス保安法に基づく注意事項
可燃性ガスを噴射剤としているエアゾール製品や消毒用アルコール等、危険物に該当する製品における消防法に基づく注意事項や、エアゾール製品における高圧ガス保安法に基づく注意事項については、それぞれ法律上、その容器への表示が義務づけられていますが、これらの注意事項は、添付文書において「保管および取扱い上の注意」としても記載されています。
8. 添付文書の読み方(⑪消費者相談窓口)
製造販売元の製薬企業(以下「製造販売業者」といいます。)において購入者等からの相談に応じるための窓口担当部門の名称、電話番号、受付時間等が記載されています。
9. 添付文書の読み方(⑫製造販売業者の名称および所在地)
製造販売業の許可を受け、その医薬品について製造責任を有する製薬企業の名称および所在地(医薬品の製造販売業に係る業務を担当する主たる事務所の所在地)が記載されています。
販売を他社に委託している場合には、販売を請け負っている販社等の名称および所在地も併せて記載されることがあります。