医薬品を販売するための許可 2

2026年8月28日

1. 配置販売業

(1) 配置販売業の許可

配置販売業の許可は、一般用医薬品を、配置により販売または授与する業務について、配置しようとする区域をその区域に含む都道府県ごとに、その都道府県知事が与えることとされています。

(2) 配置販売業の許可の基準

都道府県知事は、許可を受けようとする区域において適切に医薬品の配置販売するために必要な基準(体制省令第3条)が整っていないとき、または申請者が薬事に関する法令等に違反し一定期間を経過していないときなどには、許可を与えないことができます。

(3) 配置販売業での取扱い品目

配置販売業は、購入者の居宅等に医薬品をあらかじめ預けておき、購入者がこれを使用した後でなければ代金請求権を生じない(**「先用後利」**という)という販売形態です。

なお、配置販売業では、通常、常備薬として用いられる製品をひと揃い収めた「配置箱」を購入者の居宅等に預けますが、これが医薬品医療機器等法上の陳列に該当します。

こうした販売形態であるため、一般用医薬品のうち経年変化が起こりにくいこと等の基準(配置販売品目基準)に適合するもの以外の医薬品を販売等してはなりません。

この規定に違反した者については、**「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」**こととされています。

(4) 販売従事者

区分販売・授与できる者
第一類医薬品薬剤師
第二類医薬品・第三類医薬品薬剤師または登録販売者

このように、薬剤師が配置販売に従事していない場合には、第一類医薬品の販売または授与を行うことができません。

これに違反した者については、都道府県知事は、その許可を取り消し、または期間を定めてその業務の全部もしくは一部の停止を命ずることができます。

(5) 区域管理者

① 区域の管理

配置販売業においても、薬局や店舗販売業と同様、医薬品が保健衛生上遺漏なく販売等されるよう、その業務を適正に運営するための仕組みが設けられています。

配置販売業者は、その業務に係る都道府県の区域を、自ら管理し、または当該都道府県の区域において配置販売に従事する配置員のうちから指定したものに管理させなければなりません。

なお、区域管理者は、区域に関する必要な業務を遂行し、必要な事項を遵守するために必要な能力および経験を有する者でなければなりません。

② 区域管理者の有資格者

区域の種類区域管理者
第一類医薬品を販売し、授与する区域薬剤師
第二類医薬品または第三類医薬品を販売し、授与する区域薬剤師または登録販売者

補足【区域管理者の資格要件】

  • ①第一類医薬品を販売等する区域の区域管理者 (店舗管理者と同様、)第一類医薬品を販売等する区域において薬剤師を区域管理者とすることができない場合には、過去5年間のうち、登録販売者として3年以上業務に従事した者であって、その区域において医薬品の配置販売に従事するものを区域管理者にすることができます。ただし、この場合には、区域管理者を補佐する薬剤師を置かなければなりません。
  • ②第二類医薬品または第三類医薬品を販売等する区域の区域管理者 (店舗管理者と同様、)以下のいずれかに該当する登録販売者でなければなりません。
    • 過去5年間のうち、従事期間が通算して2年以上あること
    • 過去5年間のうち、従事期間が通算して1年以上あり、かつ、「毎年度受講する必要がある研修」に加えて、「区域の管理及び法令遵守に関する追加的な研修」を修了していること
    • 従事期間が通算して1年以上であり、かつ、過去に店舗管理者または区域管理者としての業務の経験があること

③ 区域管理者の責務

区域管理者は、保健衛生上支障を生ずるおそれがないように、その業務に関し配置員を監督するなど、その区域の業務につき、必要な注意をしなければならず、また、配置販売業者に対して必要な意見を書面により述べなければなりません。

一方、配置販売業者は、その区域管理者の意見を尊重するとともに、法令遵守のために措置を講ずる必要があるときは、当該措置を講じ、かつ、講じた措置の内容(措置を講じない場合にあっては、その旨およびその理由)を記録し、これを適切に保存しなければなりません。

また、配置販売業者は、区域の管理に関する業務その他の配置販売業者の業務を適正に遂行することにより、薬事に関する法令の規定の遵守を確保するために、必要な措置を講じるとともに、その措置の内容を記録し、適切に保存しなければなりません。

(6) 配置従事の届出

配置販売業がいわゆる行商という業態による販売であることから、これに対し薬事監視を行いやすくする必要性に基づき、配置販売業者またはその配置員は、医薬品の配置販売に従事しようとするときは、次の事項を、あらかじめ、配置販売に従事しようとする区域の都道府県知事に届け出なければなりません。

  • 配置販売業者の氏名および住所
  • 配置販売に従事する者の氏名および住所
  • 区域およびその期間

これに違反した者については、**「30万円以下の罰金に処する」**こととされています。

(7) 配置従事者の身分証明書

配置販売業に対する薬事監視を行いやすくする必要性に基づき、配置販売業者またはその配置員は、その住所地の都道府県知事が発行する身分証明書の交付を受け、かつ、これを携帯しなければ、医薬品の配置販売に従事してはなりません。

これに違反した者については、**「50万円以下の罰金に処する」**こととされています。

(8) 販売方法の制限

配置販売業者は、配置以外の方法により医薬品を販売等してはならないため、配置販売業者が、店舗による販売または授与の方法で医薬品を販売等しようとする場合には、別途、薬局開設の許可または店舗販売業の許可を受ける必要があります。


2. 医薬品の分割販売

(1) 分割販売の該当性

薬局、店舗販売業および卸売販売業では、特定の購入者の求めに応じて、医薬品の包装を開封して分割販売(いわゆる「量り売り」「零売」と呼ばれることもある)することができます。

ただし、特定の購入者の求めに応じるのではなく、医薬品をあらかじめ小分けして販売する行為は、無許可製造、無許可製造販売に該当するため、分割販売として認められていません。

(2) 分割販売の方法

分割販売する場合には、分割販売する薬局開設者または医薬品の販売業者の責任において、次の事項がそれぞれ表示または記載されなければなりません。

  • 法第50条の規定に基づく容器等への記載事項
  • 法第52条第2項の規定に基づく添付文書等への記載事項

このほか、分割販売される医薬品の記載事項には、「分割販売を行う者の氏名又は名称並びに分割販売を行う薬局、店舗又は営業所の名称及び所在地」も含まれています。

用語【分割販売を行う者】 分割販売を行う薬局開設の許可、店舗販売業の許可または卸売販売業の許可を受けた者(例:田中一郎)を指す。

(3) 配置販売業者による分割販売の禁止

配置販売業では、医薬品を開封して分割販売することは禁止されています。

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